現代の情報システムにおいて、企業や組織が保有する資産(情報資産やIT資産など)は非常に重要な価値を持ちます。これらの資産を正しく把握・管理することは、セキュリティ対策の基礎であり、インシデント発生時の対応力にも直結します。本記事では、「資産管理とは何か」「なぜ資産管理が必要なのか」「資産管理を怠ることで生じるリスク」について解説します。
資産管理とは
資産管理とは、組織が保有するあらゆる資産を特定し、それらの価値や重要度、所有者、場所、利用状況などの情報を明確にし、継続的に監視・管理していく活動です。情報セキュリティの観点では、IT資産(サーバー、PC、ネットワーク機器など)や情報資産(顧客情報、設計図、業務ノウハウなど)が主な対象となります。
資産管理で管理が必要な対象
以下のような情報を体系的に管理することが求められます。
※管理が必要な情報は企業によって異なりますので、企業ごとに都度検討は必要です。
資産の種類 | 管理すべき情報 | 説明 |
---|---|---|
ハードウェア | 資産番号、設置場所、所有者 | 紛失・盗難リスクへの備え |
ソフトウェア | ライセンス情報、バージョン、更新状況 | 脆弱性管理に直結する |
情報資産 | 種類(機密/一般など)、保存場所 | 情報漏洩の防止 |
ネットワーク機器 | IPアドレス、利用目的、設置場所 | 不正アクセス防止に有効 |
クラウド資産 | サービス名、契約内容、利用範囲 | 可視化が難しく盲点になりやすい |
資産管理を実施していない場合のリスク
リスクの種類 | 内容 |
---|---|
情報漏洩リスク | 管理されていない資産が外部に流出する可能性が高くなる。 |
インシデント対応の遅れ | トラブル発生時に、影響範囲の特定や復旧対応に時間がかかる。 |
コンプライアンス違反 | 法規制や業界基準への違反につながり、企業の信用を損なう。 |
不要コストの発生 | 使用していない資産が放置され、無駄な管理・保守コストが発生する。 |
まとめ
資産管理は単なる棚卸作業ではなく、組織全体のセキュリティ基盤を支える重要な活動です。情報漏洩やシステム障害などのリスクを未然に防ぐためにも、資産を正確に把握し、継続的に管理する体制を整備しましょう。
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